私達の有機農業

<作付け>

基本はのびのび元気に育てること。そうすれば病虫害や天候の影響も少なくてすみます。

・病虫害への対策

輪作(同じ科の作物を同じ場所で続けて栽培せず、科を変えて作付けする)や、同じ病虫害をうける野菜同士を同じ畑で広面積に作付けないこと、クリーニングクロップ(作物を作らない期間に、過剰に土壌に集積した肥料成分等の吸収を目的に栽培する植物。)の栽培などを行っています。 これらは、畑の生物や土中菌、土壌成分の偏りを減らし、上の<肥料>とともに、作物が丈夫に育つ畑にする上で大切なことなのです。

・適期、適地に作付ける。

それぞれの畑には異なる日当たり・風当たり、土質などの条件があります。また、野菜の生育にとっても、畑の適・不適条件があります。 また、野菜それぞれの生育適期があります。気節や場所は野菜の生育、味、耐病虫害性に大きく影響します。


<観察する>

畑をまわり、作物同士の間隔、作物の色や大きさや葉の厚さ、成長具合、雑草などの状態を見て、野菜の成長を手助けするだけでなく、土の状態も知り、時期の作物や肥料を決めるヒントにします。
      
そしてこれらの積み重ねが経験となり、たしかな有機農業技術へとつながるのです。


<除草作業>

手作業で除草する、または小型耕運機(管理機)、トラクターを使います。
適切な除草管理は、風通しや日当たりを良くし、病虫害を軽減します。

<防虫>

畑周辺には、私たち人間を含め、沢山の動植物が生きているのですから、有機の畑にも作物を作れば、無論それを好物とする虫がやってきます。多少の虫害は仕方のないことです。
しかし種類や時期によっては私たちがほとんど食べられないようなひどい事態も起こり得ます。そうならないために、虫の来やすい品種を選ばない、除草をする、ネットをかける、フェロモントラップで補虫、上記の作付けによる工夫などをしています。


<肥料>

・発酵鶏糞
・自家製堆肥(落ち葉、稲わら、籾殻、米糠)
・自家製草木灰
・自家製米糠発酵肥料
・燻炭(籾殻の炭)
・緑肥( 畑に種を播き、大きく育った植物を鋤込んで、肥料にするものです。稲や、トウモロコシの仲間、豆科の植物など、種類はたくさんあります。また効用も、肥料にとどまらず、土壌改良や土壌の病気や有害微生物の駆除など様々です。)



野菜の種類・収獲期

季節ごとに品を代え、年間約70種類を育てています。


野菜カレンダー(鋭意作成中!)

内部規定

 ベジファームは、私たちの有機栽培の考え方や方法を皆さんにはっきりとお伝えすることで、私たちの有機農産物に対しての信頼を深めて頂きたいと思います。そしてまた、栽培の指針、あるいは規定を明らかにすることで私たち生産者自身も日々の仕事に緊張感を持って取り組んで行きたいと考えています。

内部規定   Internal Regulation

 ベジファームは、私たちの生産流通活動が、環境に悪影響を及ぼすことを極力避け、将来へ向かって持続可能な形を追求するとともに、ここで働く人、消費者、地域、それぞれの利益と幸福に繋がる有機農業とするために、以下の規定を設ける。


1;圃場の管理

耕作するすべての圃場にNo.と名称を付け、栽培の履歴が確認できる記録を残す。
当面、毎日の作業日誌をこれに充て,必要に応じて圃場ごとの栽培履歴を作る。
新たに耕作を始めた圃場は、播種、植え付け前1年間以上、化学肥料や農薬等が投入されていないことを
確認してから出荷する。
隣地が一般圃場である場合、農薬等の飛散防止の、必要と思われる緩衝地帯を設ける。
ゴミや不要資材を散乱させ、景観を害することのないようにする。
緩衝地帯や境界に雑草が繁茂することの無いよう圃場同様の雑草管理をする。
永続的な耕作が出来るよう、過度な肥料の投入や、無理な作付けで圃場を疲弊させないよう十分な注意を
払う。

2;種苗

遺伝子操作された種苗は使用しない。
出来る限り、自家育苗の技術の向上を図る。
自家採種できるものを拡大してゆく。
購入種子については、袋等を保存または記録に残す。

3;使用資材

化学合成された肥料、農薬を使用しない。
耐久資材は環境負荷の少ないものを積極的に選択する。
肥料及びその材料は自農場、又は近隣地域から入手できるものを使用することを基本とする。
育苗培土は、近隣の里山など落ち葉を堆肥化させた自家製を基本とする。
育苗には、踏み込み温床の堆肥熱を利用し、電気温床は使用しない。
極力近隣地域で生産される稲ワラや、麦わら、籾殻などの活用を進める。

4;肥培管理

肥料の投入は過剰にならないよう十分注意する。
輪作体系を徹底させ、緑肥等を作付けることによって、土壌のバランスを保つ。
遠隔地から運ばれる肥料等は使用しないことを原則とする。

5;病害虫等の防除

病害虫等が多発しないよう土壌の状態を健康に保つ肥培管理をする。
適地適作、適期の作付けを行い、無理な品種の選定、無理な時期の作付けをしない。
作物の保護は薬剤ではなく、ネットの使用など物理的な防除を行う。
雑草管理や地温上昇のため、やむを得ずマルチフィルムを使用するが、使用後の処理は適正に処理業者に依頼し、野焼など、環境に悪影響を及ぼすことがあってはならない。

6;機械、機具の管理

機械器具は適正に管理、手入れをし、オイル等が圃場に混入することが無いようにする。 燃料の節約をし、排出ガスの低減に努める。

7;出荷、輸送、保存等

自社農場で生産されたものを出荷することを基本原則とする。
やむを得ず他者あるいは他社から仕入れをする場合は有機農産物、あるいはそれに準じたものに限り、十分な確認を行う。仕入れした農産物を出荷する際は、確認内容を説明したものを添付する。
長距離の輸送が必要な作付け契約をなるべく避け、地域内での生産消費のシステムを作るように努める。
出荷の記録を残し、生産の資料とするとともに、消費者の問い合わせ等に答えられるようにする。

8;地域の農業環境

地域の農業が継続的に営まれる環境を維持するために耕作放棄圃場等の受け入れに消極的であってはならない。
里山の保全と活用に積極的に取り組むことで、ベジファームの有機農業の原点を常に再確認し、農業環境の整備に力を尽くす。


附記

現在ベジファームは、2001年より6年間続けてきた有機JAS認定を中断しているが
認証制度に復帰する場合は、この制度が生産者の利益になり、消費者との信頼関係を深め、かつ、有機農業の発展拡大に寄与するものになるため、ためらわず意見、進言してゆく。
ベジファームの消費者の求めがあった場合、当該作物の栽培の履歴を公表する。
この規定は毎年2月〜3月に見直しを行い、不備を訂正、補完して行く。

                                                  2009年3月22日
2011年8月最終見直し